銀座Ginza

江戸時代は両替屋が軒を連ねた銀座西洋文化の発信地としても栄え、海外の一流ブランド店と老舗が共存するエリア

慶長17年(1612)、江戸幕府は銀貨鋳造所をこの地に置き、現在の銀座通りには両替商が軒を連ねました。

「銀座」とは銀貨を扱う役所名で、金貨(小判)を扱う役所は「金座」と呼ばれていました。

町名としての銀座になったのは明治2年(1869)のことで、このとき新両替町1丁目は銀座1丁目となりました。

こうした歴史の中で銀座には、江戸時代からの旧跡をはじめ日本の近代化を推進した記念碑等が多くあり、説明板を設け、散策される方に案内しています。また、早くから西洋文化の発信地として栄えてきた繁華街は、日本一洗練されたおしゃれな街で、海外の一流ブランドショップや何代も続く老舗などの名店が、中央通りを中心に軒を連ねています。

週末に多くの人でにぎわう歩行者天国は、銀座通り口交差点~銀座八丁目交差点の間で昭和45年(1970)に日本ではじめて行われて以来、今も人々の憩いの場として親しまれています。

日本橋nihonbashi

日本の道路網の起点となる日本橋江戸の名残をとどめ、交通の要所として金融街や老舗百貨店などが連なるエリア

“江戸は日本橋”と慶長9年(1604)に五街道の起点とされ、諸国から多くの職人や商人が集まり、江戸城下の中心街として栄えてきました。

日本橋のたもとには、「一心太助」の元気な声がとびかう魚河岸がありました。江戸庶民の台所を賄い、その町筋には若旦那たちの社交場や花街が生まれ、江戸の経済を左右するほどの賑わいをみせていました。

現在の日本橋は、明治44年(1911)に木の橋から石造橋に改架され、国の重要文化財となっています。日本の道路網の起点はここからスタートします。

ちなみに東海道を上りはじめてすぐにある京橋は、日本橋から京方向への最初の橋でしたが昭和34年(1959)に埋め立てられ、親柱が残っています。また、このエリアは商人の町として賑わった茅場町、幕府水軍の本拠地から金融の町となった兜町、江戸の名残を色濃く残す室町、本石町など、史跡・旧跡があちらこちらで見られます。

築地tsukiji

隅田川に面した埋立地(築地)江戸・東京の経済そして文化の発展に深く関わり、史跡・旧跡が集中したエリア

江戸から東京へと移り変わる経済・文化の軌跡を感じることのできる「築地」。

江戸時代“八丁堀の旦那”と呼ばれた江戸町奉行所の与力・同心の居住地であった「八丁堀」。

安永3年(1774)に完成した近代医学の基礎となった「解体新書」にゆかりの「明石町」には明治2年(1869)に外国人居留地が置かれ、現在は聖路加国際病院が建っています。

国指定特別名勝・特別史跡の「浜離宮恩賜庭園」は、いまなお江戸時代の大名庭園の特色を残し、風光明媚な都会のオアシスとして、四季を通じて多くの人が訪れます。

人形町ningyocho

多彩な顔を持つ人形町界隈 町によって様々な歴史が垣間見られるエリア

このエリアの町々はそれぞれの顔を持っています。

中村座・市村座のあった庶民の町「人形町」には多くの人形師が住み、重要な街道筋であった「馬喰町・横山町」付近には問屋が発展しました。

「浜町・久松町」といえば粋なお姐さんが行き交った町、明治座のある町として知られていますが、この界隈は武家屋敷が多いところでした。

荷物を馬の背に積んで運ぶ伝馬役を務める人たちが多く住んでいた「小伝馬町・大伝馬町」。

「東日本橋」は両国橋・柳橋などの一帯にあった薬研堀町・村松町・矢ノ倉町・橘町などの町名を統合した町で、地元の人は今でも古い町名で呼び合っています。

「小舟町・堀留町・富沢町」一帯は、商人たちが物資を運ぶ堀留川で富をなし、昔は海辺であった「蛎殻町」は大名屋敷と旗本屋敷が建ち並ぶ地域でした。

「小網町」には200年以上も続くお店が今も営業していますし、かつて大川の花火で賑わいをみせた「中洲」や武家地であった「箱崎町」は、商工業の町として発展し明治16年(1883)に開業された日本金融機関の総元締め「日本銀行創業の地」として知られています。

月島・佃tsukishima / tsukuda

江戸、明治、大正、昭和にかけ築かれた埋立地 高層ビルの建ち並ぶ未来都市と、下町情緒にあふれた路地が混在するエリア

佃・月島・勝どき・豊海町・晴海エリアは、江戸時代から明治、大正、昭和にかけて埋め立てられ、隅田川と運河に囲まれた人工の島です。

他のエリアと違い関東大震災や太平洋戦争の被害を受けていない地域もあり、月島地域の路地は、いまなお下町の風情が随所でみられ、なにか懐かしさを感じます。その反面、再開発が急速に進み、超高層マンションが建ち並ぶ未来都市、ウォーターフロント・ゾーンとして注目されています。晴海アイランドトリトンスクエアや50階を超える高層マンションが林立し、交通アクセスもよく常に多くの人が訪れるようになりました。

晴海埠頭や隅田川テラスは、日が暮れるとロマンチックな気分に浸れる人気スポットです。

隅田川の川面に映し出される超高層ビルの影をかき分けて屋形船が行き交い、路地には下町情緒がただよう新旧が混在する古くて新しい街なのです。